2022年02月13日
見守り方が上手
最近入っているチラシです。
今晩は、本日も粛々。
今年の中3がもう少しで受験を迎えます。
現高1はややレベル低めから、かなりいい学年に成長しました。
現中3はややレベル低めから、普通くらいまで成長しました。
受験のときが瞬間最大風速になっちゃう子は、もう受験前にわかってしまいます。
今年はそういう子はゼロに近いです。
紆余曲折あって、
紆余曲折は無いとむしろダメなのですが、
ちょっと低空飛行のときにダメと思うのは、大人の方が多くて、
こういうのを見ると、
受験生保護者の方々の、見守る力のおかげだと思います。
こうすると良いですよと言っても、「ちゃんと言っています」。
言って変わってもらえるのは、他人からであって、お家の人ではありませんね。
保護者が管理できないものを子どもに渡して、
手に負えなくて困る、
なんてことたちもよくある話です。
そういうのも全部試行錯誤の一環であって、
保護者も子どもも、いい経験をしている最中なのですが、
背後にある辛いものはおいといて、
華やかにみえる成果だけ憧れるというのもまた、
よくある話です。
今年で20年になりますが、生徒たちをみていて毎度毎度、
禍福は糾える縄の如し、
人間万事塞翁が馬、
という言葉の意味がじわじわと効いてきます。
低空飛行のときでも、やるべきことはしっかりやり、
超えてはいけない一線だけは超えさせない。
上昇気流に乗りそうなときに、上限を設けない環境にしておく。
保護者の方も自信満々で手を打ったのではなく、
不安と手探りの中で打った手もたくさんあったと思います。
私たちみたいな仕事も、毎日がそういう感じです。
若干だけ良くも悪しくも慣れがある程度です。
もう3年ほど、見守る期間が続きますが、
受験という経験が、また彼らにどういう作用をもたらすか、
楽しみです。
ごんぼっち
2021年11月12日
シンドラーのリスト
11月19日、いい塾の日に、
四冊目の拙著がKADOKAWAさんより発売されます。
名門公立受験道場という、
全国のトップ校受験専門塾の塾長たちでの共著です。
お近くの、あるいはネット書店でぜひご予約ください。
今晩は、本日も粛々。
最近よく思うのですが、
大学からじゃなくてもいいのですが、
大学院などで海外だったり、
今の日本の趨勢がこのまま続いたとしても、
大丈夫だったり、
そういうふうに生徒と接しているのですが、
ひと学年10名ちょいくらいで、
その中で分かる人にだけね。
無理強いするようなことじゃないですから、
生き方は。
そうするとね、
シンドラーのリストや、杉原千畝の命のビザ感があるわけですよ。
その感覚がなくなるだけでも、
個人的にはとても助かるのです。
今の日本の落ちた趨勢ってどういう状態かと言いますと、
ちょうど落合陽一さんが言っていたのですが、
年収400万で
iphoneに月10万とか払っているのに、
人生楽しいから満足
みたいな感じですかね。
18歳以下に10万配られても、
せっかく3か月休校になっても、
ゲーム会社を儲けさせるようなのは、
もうその入り口どころか、
ど真ん中どすえ。
ごんぼっち
2021年08月14日
8月ジャーナリズム
今晩は、本日も粛々。
8月ジャーナリズムなんて、揶揄する言葉があります。
戦争についての番組を、8月にしかやらないというものですね。
私は別にいいじゃないかと思うんですが、
今の子たちについて、
とっても嫌だなぁと思うのは、
とりあえず差別はいけない、戦争はいけないと言っておけばいい
という感じ。
原因は簡単で「よく知らないから」であって、
しかたがないんです。
寺子屋から初の東大合格がでたご家庭は、
その子が中2のときに、
「そろそろわかる年になってきたので、広島に行ってきます」
なんておっしゃっていて、
さすがわかっているなぁと感心したのをよく覚えています。
例えばフェミニズムを「男女同権論者」なんて勘違いして、
男女は性差があるのに、同じにしようなんておかしい、
なんて50年〜100年前のアメリカでの意見とか、
差別するつもりが無かったんだから、差別じゃない、
日本には黒人差別なんてない、
なんてこれまた西部開拓時代にタイムスリップしたような意見とかが、
平気で「TVでのご意見番」みたいな感じで登場している、
「なんちゃって知識人」扱いで、
ちょっとうまいこと言えるだけの人がよく言っていますが、
ある程度本を読んだり、TVを観たり、ニュースを聞いたりしながら、
学校で習う知識を整理しないと、
あっさり信じちゃうんだろうなぁと思いますし、
学校で習うものや入試問題を見ても、
何が問題かすら認識できないと思います。
ネットニュースと駄本しか読まない大人と同じレベルになっちゃうわけですね。
といいつつ、
私もごく最近仕入れた知識を元にして、
言っています(笑)。
まぁそれはともかく、
せっかくなんで、変なエンターテイメント的な作品を観る前に、
戦争についてのドキュメンタリーなどは、
8月、気が向いたときくらいは観ておくといいと思います。
ごんぼっち
2021年07月25日
映画で授業
今晩は、本日も粛々。
講習会恒例、映画で授業の予定をお送りしました。
映画を観て楽しむだけじゃなく、
その文化的な背景や、
人間分析を行う授業です。
端的に言うと、
頭が良くなる授業です(笑)。
こういう授業をしないとなぁと、ひしひし感じてしまったのが、
東京オリンピックの開会式です。
7か月くらいしか時間が無かったのにドタバタ続きで、
形にするだけでも大変だったんだろうなぁと同情したのですが、
あと、
授業中だったのでダイジェストしか観れていませんが(笑)、
日本は世界に対して、
発信できるメッセージが無いんだ、と
痛切に感じてしまい、
虚脱感でいっぱいです。
多様性の世界に、遅ればせながら追いついていきたいし、
そういう人材や文化はあるぜ、
というメッセージを送りたいのだろうとは推測できたのですが、
なんだかなぁ。。。
それこそ、
成績は多少なりとも取れるんだけれども、
文化や世の中に全く無知な
偏差値・受験マシーンの発想を見せつけられている感覚でした。
天皇陛下の横で疲れ切った顔を見せている、
首相が象徴的だったかもしれません。
個々は素晴らしいけれども、
ビジョンが不在。
だけれども選手たちを応援しよう!
というノリを、
明治維新以来、どれだけ続ければ気が済むのでしょうか。
日本中にちゃんと頑張っていて、
素晴らしい文化を発信している人たちは山ほどいるのに。
少なくとも、
人間や世の中がどうやって成り立っているか?
がわかる生徒を、
無理のない範囲で、少しずつ、少しずつ、
種蒔きしていかないとなぁと、
改めて思わされました。
もう、情けなくて、情けなくて、
涙も出ないくらいです。
ごんぼっち
2021年03月03日
思考力
連載:トップランナーに聞く
学年が進むにつれて勉強が楽しくなる、後伸び力の育て方(第3回)
金沢日和さんに連載中のコラム、
第三回が出来上がりました。
今晩は、本日も粛々。
先日出版の打ち合わせをしていたときに担当者の方と、
根拠のない陰謀論に引っかかる、
いい立場の人もいて困るねぇとお話ししていました。
考える力があれば、あれ?と思える内容なのですが、
その時のコツのひとつをお話しします。
よく見かける(らしい)ラーニングピラミッド。
これらの行動によって、学習定着率が劇的に違うので、
生徒同士の教え合いや学び合いみたいな、
アクティブ・ラーニングが有効であるという根拠に使われるのですが、
これ、
全く科学的根拠の無いデマです。
経験的に考えるとわかります。
読書によって10%しか記憶定着がしないなんて、
あり得ないですよね。
グループ討論と講義で、45%も定着率に差があるなら、
我々の学校時代の記憶は、授業の記憶よりグループ討論の記憶の方が多いはずです。
体験に即すると、簡単におかしいなと分かります。
これは論理的トレーニングのひとつなのですが、
大事なのは、
アクティブ・ラーニングがダメだという話ではありません。
根拠が崩れただけで、
アクティブ・ラーニングが有効な学習かどうか、
「まだわからない」に戻っただけです。
ちゃんちゃん。
ごんぼっち