2019年09月27日
公立上位校を目指す保護者に伝えたい、先取りの是非。
今日は、本日も粛々。
算数好きの長男に、
中1に高校内容まで進んでいいのか、
というかご相談にお答えします。
例えば、中1に高校数学を進められるか。
概念がきちんと入っていますか?
大学に入学するまでに必要な得点力は、
問題を反復演習する事で身に付きますが、大学やそれ以降では概念操作が必須となります。
概念とは、例えば「1」とは何ですか?
1番目の数であると同時に、
バケツ一杯でもコップ一杯でも「1」です。
またバケツ一杯分は、コップ三杯と同じ量であれば、
三分の一が3つ集まって、「1」です。
平方根や三平方の定理など、単に進めていくわけでなく、
概念がすっと入っていくならば、先取りはどれだけやってもいいと思います。
しかし、概念が入っておらず、
ただ計算方法だけが上達していたり、
問題が解けるだけだったりすると、
どこかのタイミングで完全に頭打ちになります。
大学受験までの間に頭打ちになれば、まだいいのです。
正しい学問の道に軌道修正すればいいのですから。
大学進学後ですと悲惨です。
お父様もお仕事でお見かけするかもしれませんが、
いい大学を出ているのに能力的にひどく劣っている人は、
受験で概念を大切にしてこなかった人も含まれています。
灘や開成の生徒は、この概念操作が出来ないと解けない入試をクリアしているので、
短い期間で数学を進めることができるのです。
スピードより、わずか小学6年生にして、高度な概念操作ができるのが脅威です。
ですので以下の質問もお分かりだと思います。
問題集は、概念をしっかり伝えている方法であればなんでもいいと思います。
個人的には『高校への数学』『大学への数学』をオススメしますが、
小学算数の概念が入っているのが前提であるのは、言うまでもありません。
ご長男は算数が好きとのこと。
実は、これに勝る有利はありません。
灘や開成の生徒ですら、
好きをなおざりにして、受験テクニックだけで乗り切れてしまった子は
めちゃくちゃ羨ましいと思います。
先取りを急ぐより、
じっくり概念で遊ぶことをサポートしてあげてください。
私は地方都市から灘高校合格者を出していますが、
その生徒も先取りはしていましたが、
概念形成を先送りにするほどの先取りはしていませんでした。
お陰で、灘高合格後も、中学からの生徒と遜色ないくらい成績を維持して
(通常、高校からの生徒は落ちこぼれることが多いのです)、
卒業しました。
教育は焦らず、じっくりていねいに。
私の師匠のひとりの言葉です。
ごんぼっち
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