2019年04月08日

春期講習最後の授業でした話。


今晩は、本日も粛々。

春期講習最終日の授業で、小・中学生にした話を、
ブログ用にアレンジして残しておきます。


春期講習のテーマは、


★計画的に勉強する


ということでした。
今回の春期に限らず、寺子屋の講習会では、
このテーマで毎回行われます。

ある程度の課題が与えられ、
それをどれくらいのペースでやっていけばいいか、
それを、小学生のうちにできるようになっておいて欲しいのです。
でないと、
寺子屋の中学部は、
お話にならないと思います。

はっきり言って、こういうことが出来なくても、
中学校で学年10番内程度なら取れますし、
泉丘高校程度だったら、
過去問を何年分もやって、
似たような傾向の問題を繰り返し解けば、
合格できちゃうんです。

まぁ、そんなことで勉強しても、
いい高校が求めているような勉強なんて、出来ません。
高校は乗り切れても、
いい大学は完全に無理です。
ですが、これは寺子屋が伝えたい内容の前提であって、
本当ははもっと先のことを教えたいのです。

勉強は、勉めることを強いると書きます。
我慢や辛抱・努力・強制を伴うものという意味です。
確かに、そういう面はあるのです。

先日、高校生に映画を使って授業していた時に、
数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した大学教授が、
こう言っていました。

勉強なんてそういうものだろう、
我慢や辛いことに耐えていると、大切なものが見えてくる、
それまでじっと努力し続けなければならない。

確かにその通りなんです。
遅れて解るというのが特に大切なポイントです。
でもね、
それだけじゃないんです。

ある程度のやらなきゃいけないものを与えられ、
それらを粛々とこなしている時にあったのは、
我慢だけでしたか?

例えば、
苦手だと思っていた単元が、ちょっと面白いと感じたり、
得意だと思っていたけど、よく間違えて悔しかったり、
学校で習った時には無関心だったのに、出来るようになって少し好きになったり、
好きな単元でも、知らなかったことを発見できたり、、、
そういうことありませんでしたか?
(結構激しく頷く生徒が、半数くらい)

やらなきゃいけないものをさっさと終えて、
そういったところを調べたり、もう少しやってみたりする時間が、
勉めることを強いる勉強が、表現しきれていない、
もうひとつの大事なポイントです。

そこには意志があります。

だから、年間100万くらいかけて、
寺子屋文庫を増やしているんです。

本に関して、余談をふたつ。
君たちは、寺子屋の本を読むとき、いつも好きな本ばかり。
高学年にもなれば、そろそろつながりを持った読み方をする時期です。
頑張ってやったものに関連するもの、
今まで好きだったものに関係する別のもの、
ただ単にタイトルや表紙に惹かれて手に取るもの、
そういうふうに広がっていくものです。

余談ふたつめ、
新中1の授業で、国民の三大義務に、
すべての子弟に普通教育を受けさせる義務があると言いました。
だから義務教育は無償なのです。
学校にある図書館は、
今一部の進学校で行われているような自習スペースや、
君たちが読みたい本を置いてくれるところではありません。
教科書で扱えるのはごく一部なので、
それを全部読んでみたり、関連する本を読んでみたりするために、
無償で提供してくれている場所なんです。
それらの費用は全て税金、
日本中の大人が働いて国や地方自治体に納めたお金で、
できています。

やらなきゃいけないことから、心が動いたところを深めるという、
意志がある勉強こそが、寺子屋が伝えたい勉強だと言いました。
学年ごとに、同じ内容をやってもらい、
理社は一斉授業で教えました。
しかし、どこに心が動いたかは、人によって違うはずです。
よってどこを深めたいかは、人によって違うはずです。

よく
子どもは一人ひとり違うのに、同じ内容を教えるなんておかしい
という、もっともらしい意見を言う大人がいますが、
多分彼らは、勉めることを強いる勉強しか知らない、
可哀想な大人なんだと思います。

今回、うまく計画通りに進められなかった生徒は、
次回の夏期講習で同じ失敗をしないようにしてください。
そして、やらなきゃいけないことを仕上げるのが、
目的じゃないんです。
その中で心が動くポイントを見つけ、
取り組むところまでやって寺子屋生です。

それを忘れずに、
また夏期講習を頑張りましょうね。


ごんぼっち
posted by ごんぼっち at 23:59| Comment(0) | 寺子屋の指導 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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