2014年07月01日

生徒たちへ伝えたいこと


今晩は、本日も粛々。






募集時期に、

しかもブログで政治的な発言をするのはふさわしくないのですが、

言わないわけにはいきません。



中国が攻めてくるぞ!なんて意見があります。

本来「万が一の備え」であるはずの、軍備に頼るということは、

外交努力の放棄であることを忘れてはいけません。



詳しくお伝えすると途方もないので、

一人の大人として、真摯に向き合って答えてみたいと思います。



★果たして本当に戦争になるのですか?

近代国家にとって、軍備とは、「万が一の備え」です。
そういう切り札を早々に切るということは、まずないことです。
まして、日本は貿易によって成り立っている国ですから、
「今の状態の方が望ましい」と思っている人たちを中心に、
万が一を避ける努力は行われると思います。

ただ、制度や法律は、一度作ってしまうと「悪法も法なり」という言葉があるように、
再度変えると言うことがとても難しいのです。
今、集団的自衛権に反対している人たちが、戦争に巻き込まれるかもと言っているのは、
万が一といった事態を恐れている以上に、

一度制度として成り立ってしまったものが、
最初の「自衛のためだけです」と言っていたのが、ずっとそのままに使われるとは限らない
そういうことをあらゆる国の政府や、日本でも、
たくさん事例があることを知っているからです。

実際、日本国憲法が既にそうでしょう?



★僕たちは徴兵されるの?戦争に行かなくてはいけないの?

これは私の後輩が言っていたことをお伝えします。

君たちが大人になる頃には、戦争や戦闘はロボット化が進み、
さらに自衛隊も含む各国の軍隊は、素人がどうしていいかわからないくらい、プロ化が進むでしょう。
だから自分から職業軍人や傭兵隊に志願しない限りは、戦闘の正面に立つことは無いでしょう。

ただ、何より大切なのは、
社会的な混乱に乗じて、現在でいうとシリア・ウクライナ・イラク・南スーダンのように、
職業軍人・傭兵部隊・テロ組織・マフィアのような私たちの生活とはちょっと遠い存在から、
自警団・民兵・宗教団体といった身近な存在が入り乱れて、
近所の人たちで殺し合ったり、
少数派で社会から色眼鏡で見られるような人たちをリンチしたりといった、
めちゃめちゃ残念な状態になることは考えられます。
そういう徴候はひたひたと、または突然にやってくるかもしれません。

それを避ける努力は、怠ってはいけないと思います。



★僕たちは果たして、どうすればいいの?

歴史と論理を勉強するのが、一番の近道だと、私は思います。
この場合の歴史とは、ネット上で学べる歴史ではありません。
ネット上の人たちが言っているのは歴史「観」(ものの見方)です。

正しい歴史とか言っている人は、その「正しい」という言葉が、
あるひとつの立場でみた、ある一面にしかすぎないことを知りません。
例えば、コップを上から見れば円で、真正面から見れば長方形ですが、
全く違うカタチの、どちらが正解か・・・なんて、どうでもいい議論のはずです。
こういうことは、論理という、数学・国語・英語で勉強できる内容です。

歴史といったのは、国家間でどのような局面に立った時に、どんな国家がどのような対応をしたのか、
勉強して欲しいという意味でです。
(私もいつも勉強している、大事なテーマのひとつです)

私が今まで勉強してきた内容から、言えることをひとつだけ言います。
国家間の争いは、決して政治家や国王が勝手に争った…とは言い切れない側面があります。
その際にきっかけになっているのはたいてい、

「あのやろー、ムカつく」

です。
恨み・憎しみ・嫉妬・不公平感などなどは、最も人に伝播する感情です。
特定の国や民族、立場の人々に対する、マイナスな気持ちは、
少なくともネットですとか、準公共の場所では発信しない方がいいと思います。

人間がムカつくものにはどれくらい残酷になれるのか?というのも、
歴史が教えてくれます。



★僕たちにとって、大切なのものは何ですか?

集団的自衛権の閣議決定に対して、反対している人たちが、一番何にがっかりしているかというと、
憲法という、近代国家が最も大切にしていることを無視したということです。
(集団的自衛権を認める認めない、どっちに賛成するかは、この場合おいておきます)

憲法によって国が成り立っているということは、
江戸時代末期から、ヨーロッパ諸国・アメリカと同等な国であるということを証明するために、
いろんな人たちが、法律を整え、裁判制度を作り、内閣等々の仕組みを整え、
軍事も含めて、外国に行って勉強し、制度として確立してきました。
そして議会を開き、
一部の人の意見が全てであるかのような時代から、
なるべく多くの人が納得し、
なるべく多くの人が直面している矛盾を解決しようと、
涙ぐましい努力をしてきました。

うまくいったこともあるし、失敗してひどい事態になったこともあります。
前進とは言わないまでも、
右往左往しながらも、
粛々と歩みを止めませんでした。

私たちは北朝鮮という国家を見て、
この現代社会で何て時代遅れなことをやっているのだろうと、
過去の世界の歴史について詳しくなくても、思っちゃうことでしょう。
日本はそれとは違うと思いたいでしょう。

でもそれと変わりが無いようなことを、決めてしまったのです。


今ここで言いたいのは、現内閣がいいか・悪いかではありません。

まだしばらく選挙権を持たない君たちが、今のうちに勉強しておいてほしいのは、



あなたにとって大切な価値は何ですか?

ということです。



自由? 平等? 公平? 平和? 誇り? 身近な人の命? 人と人とのつながり?
それらを守るために、ベスト…いやベターな方法は何ですか?
そういうことは、社会に出ると、意外と考える時間が無いのです。

日々やらなくてはいけないことに追われ、なかなか力を割けません。
ポイントは、

若いうちはひとつの立場やジャンルに偏る必要は無い・・・ということです。
年取ったら自然に偏りますから(笑)。



                               ごんぼっち

posted by ごんぼっち at 23:59| Comment(0) | よのな科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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