2023年04月19日
1種類の模試をアテにする方が間違い
今晩は、本日も粛々。
塾に通っていなかった子が、
模試では安定していい判定だったにも関わらず、
トップ校に落ちてしまったという話を聞きました。
全国どの自治体かは内緒ですが、
内申重視より、
むしろ試験一発勝負型のところです。
考えられる原因は
@模試の判定をアテにしすぎた。
A模試が必ずしもその自治体の入試の傾向を反映しているわけではない
B生徒・保護者が中学の勉強舐めすぎ
という、受験で間違いやすい「あるある」を見事に満たしていて、
@Bは子ども自身や保護者自身の問題ですが、
Aについてちょっと述べようと思います。
例えば入試分析聞いて、どんな分析を想像しますか?
記述問題の配点が何点で、
平均点はこう推移しています。
難易度はこれくらいです。
これ分析ですか?
分析とは普通、ひとつの現象をいろいろな要素に分解することです。
入試分析というならば、
「何をどういう手順で身に付ければ、
この問題を解ける力がつくか?」
という要素を導き出せていないと、
分析にはなりません。
そう考えて、いわゆる「入試分析」とやらを、
ぐぐってみると、
出てくるわ出てくるわ、
分析になっていない「分析」。
〇〇は頻出なのでやりましょう。
××は何年も出ていないので優先順位が低い
という、
データから分かることを並べているだけで、
分析になっていないものばかりです。
中学校の勉強は、皆さんが思っている以上に、
壮絶な下ごしらえがあって理解できるもののはずです。
ですから、
受験を乗り切ったくらいの人だと、
トップ校を出ていようが、東大を出ていようが、
勉強がどんな下ごしらえから成り立っているかがわからない、
という状態になります。
わかっていてもどう言葉にしていいかわからない場合も含めて。
そういう人が教えたり、
模試の問題を作ったりしていますので、
形式上だけ傾向通りというのが模擬試験の問題で、
正確に学力を測っているわけではないのです。
で、その自治体にバチっと合った模試じゃないといけないか?
というと、そうでもありません。
模試はあくまで模試なので、
志望校に到達できるような頭の良さと勉強姿勢の状態に持っていければ、
合格するのは当然ですよね、
という観点で、寺子屋は教えているだけです。
石川県単体で言うなれば、
附属・泉丘レベルに関していうと、石川県用の模試を、
私は70%くらいしかアテにしていません。
じゃ、どうしているかと言いますと、
1種類のテストで生徒の状況なんてわかるわけがないので、
基礎力=寺子屋学力テスト
記述力=石川県総合模試
学力=〇〇テスト
の三方面でテストをしています。
彼らが実際に入試でどれくらいの力を発揮するかが、
よくわかります。
とはいえ、〇〇テストを使っていると、
地方都市では「狂っている」と言われたり、
存在自体が知られていなかったり、
まぁ、いろいろあります(笑)。
ごんぼっち
2023年04月17日
とりあえず対策だけやっておくことの弊害
今晩は、本日も粛々。
京都で幼児教育の勉強会に参加していて、
たまたま先日のブログの、
東大寺等の募集中止の件の話がでていました。
幼児・低学年をやっていて思うのですが、
年齢段階で、ある程度身に付けておかなくてはいけない事柄を、
無頓着に放置していると、
小学校や中学校に上がって壁にあたったとき、
壁には誰でもぶち当たりますし、
学生のうちは壁にぶち当たるのが仕事みたいなものですが、
どうしようもなくなるんでしょうね、
という話です。
受験勉強は一生懸命ですが、
かけ算を足し算で表現してみてごらんと言われて、
何をしていいか全くわからなくなる偏差値70の子とか、
精神的に脆い子も、
海じゃなくてプールで育ち過ぎたんでしょうね。
そういう子は、保護者がいつも課題から逃がしますから。
有名高校でも、素晴らしい入試問題に真正面に取り組むと、
ちゃんと学力が身に付くようにできているのに、
帳尻合わせ的に取り組む生徒は、
かえってコチコチの頭になって、
せっかく有名校で才能を伸ばすはずなのに、
伸び切ったゴムのように仕立て上げられるちゃうわけですよね。
何でもそうですが、
中学・高校・大学受験はきっかけでしかなくて、目標ではありません。
目標を見つけて頑張りましょうというときに、
なぜか「志望校は?」って話になりますからね、
物をもらって「ありがとう」、
教わる空間に来るのにそこの人たちに挨拶する、
こんなことが出来ないくせに、
いい成績を取っても、学歴はいいけどイマイチな大人になるに決まっています。
祖父が生前、
勉強するには資格が要るとよく言っていましたが、
年々その通りだなぁと実感します。
ごんぼっち
2023年04月15日
春期講習明けから「なんだかなぁ・・・」
今晩は、本日も粛々。
高校入試募集停止が相次いでおりまして、
関東は2020年頃から、
桜蔭・雙葉・女子学院・豊島岡・渋谷教育学園渋谷・開成・駒場東邦などなど、
そして最近は関西で、
洛星・甲陽学院・洛南は一部縮小などなどに引き続き、
東大寺学園が募集停止しました。
マスコミには「高校から入学してきた生徒たちの負担が大きいから」とのことですが、
東大寺学園の入試説明会に参加したとき、
どんな校風か、きちんと知って受けに来てください。
それぞれの校風に、私たちの教育理念が沁みこんでいるのです。
どんな知性の生徒を求めているかは、過去問をみてください(対策的な意味でなく)。
東大寺レベルでもこんな注意喚起が必要なんだと、
びっくりしたのを覚えています。
教育理念からして「本当に大丈夫ですか?」というような高校が、
東大京大合格者数で、東大寺学園に勝った負けた的なノリで、
人気を集めているのをみると、
何だかなぁと思います。
その一方で、
寺子屋が小学生や幼児からじっくり育てることにシフトしていっているように、
高校三年間だけで、校風に相応しい生徒を育てることが、
確率的に難しくなっているのは、
とてもよくわかります。
とはいえ、東大寺学園高校の入試問題は、
私も大好きでしたので、
芸術的な良問を見られなくなるのは寂しいです。
いろんな意味で、
何だかなぁと思ってしまうニュースでした。
ごんぼっち