2016年03月20日
ニュー・シネマ・パラダイス
今晩は、本日も粛々。
寺子屋恒例、映画を用いた授業で、
久しぶりにこの、映画界に燦然と輝く名作中の名作を使いました。
この予告編でも最後の方に流れているテーマを聴くだけで、
涙腺が刺激されてしまいますね。
映画史上最も泣けるラストシーンですが、
未熟な中学生たちには、
キスシーンが好きなおませな子どもだった主人公のために、
人生の師とも言える映画技師の老人が死の間際にプレゼントした・・・
という、思わず膝から崩れ落ちるようなストーリーを描いてしまったようです(笑)。
ということで、
ストーリーやテーマの追い方をきっちり講義しておきました。
この場面で、こういう表情をしているということは、どんな気持ち?とか、
じゃ、この人はどんな人だと思う?とか、
そこから。
でもね、しょうがないのですよ。
今のドラマに、そんな深みのある見方ができるような演技が、
存在するのでしょうか?
なんとなく感動、なんとなく悲しい、なんとなくムカつく・・・の洪水で暮らしてきた
子たちに、人間の気持ちをいきなり理解するのは不可能です。
そういえば昔、
『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』で、
成績を上げるために、
子どもたちを映画・ドキュメンタリー・本漬けにするシーンがありました。
感受性と論理的思考は、こういう時に一致しますね。
せっかく映画史に残る最高峰の映画を使うからには、
1時間半かけて、丁寧に登場人物の心情を読み解き、
裏テーマについては、大学一般教養レベルの話をみっちりしました。
ちなみに、
生徒たちに使った表現を用いると、
「古き良き」共同体の崩壊した後の人々は、どのように生きていくか。
大学っぽい言葉を使うと、
ゲゼルシャフトからゲマインシャフトへ、近代人はどのように翻弄されるか。
ごんぼっち