2015年05月10日

そこにある断絶


今晩は、本日も粛々。


民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造 (講談社選書メチエ) -
民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造 (講談社選書メチエ) -

GW旅行中、山口県でふぐの握りを食べながら、読了しました(笑)。
とても刺激的な本でした。

例えば、日本の植民地統治。
昨今よく言われている「植民地のインフラ整備等を行い、素晴らしい統治であった」という説や、
植民地は現地の人を抑圧した、侵略そのものであったという説。
実はどちらも、日本の植民地統治の一部分の表現でしかないということが、丁寧に描かれています。

例えば、「民衆のヒーロー」たる政治家。
日本の植民地経営の転換期は、平民宰相と言われた原敬でした。
大正デモクラシーの象徴と言われた人なのに、実にえげつない。
庶民の期待するものと、政治という社会科学の場には、大きな断絶があることを、
まざまざと知ることができます。

例えば、国際社会でわたりあっていく時に必要なこと。
新渡戸稲造も柳田國男も、語学に限界を感じていました。

例えば、「文化」といっただけで実は「政治」を指している。

例えば、文化研究は偏狭な愛国主義の入り口になりやすいが、
愛国心を相対化する時にも必要不可欠である。

・・・どうですか?
知的好奇心がくすぐられるトピックばかりでしょう?(笑)
面白いことに、この本を書かれた方は、国文学専攻です。
私は社会科学出身なので、
アプローチから文体まで、とても新鮮に読むことができました。
そして、ダイナミックに学問のジャンルを超えていくことの爽快感が、
なんともたまらず、読んでいました。

大学生以上なら読めると思います。
ぜひぜひ、手に取ってみてください。



                             ごんぼっち


posted by ごんぼっち at 23:59| Comment(0) | 余談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする